大道具セットが
できるまでprofessional

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step 01
営業
受注
Orders
舞台装置家や取引先のテレビ局のデザイナーと道具帳やデザイン図を見ながら、どのように実現させるか打合せ。予算や材料、納期を考え、見積りを算出します。
クライアントと工場のパイプ役である営業職が受注からセットが完成するまでたずさわる。
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step 02
営業
製図
Drawing
受注した道具帳から詳細なディテールで材料・寸法・色の指定などを書き込んだ製作図を起こす。通称「かきぬき」と呼ばれ、これをもとに各セクションと打ち合わせてセットが作られていきます。
1/40の尺貫法の方眼用紙に製図する。寸法はミリ表示のときもあるが基本は尺寸で表記する。
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step 03
製作(大工)
躯体
Carpenter
木工によるパネルなどのベースの製作。例えば家を作る場合、家ではなく「家にみせるもの」であり、素早く組み立て運ぶため、いかに軽く丈夫に作るかが腕の見せ所。
ミュージカルなどでは鉄骨+木材が多い。鉄骨は外注し、木材パート以降を手がける。
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step 04
背景
塗り描く
Painter
照明を当てた時を意識して色を塗り、絵を描きます。小さな道具帳から見違えるほどの絵に仕上げます。遠近法や質感、明暗を駆使し、空間を劇的に変化させます。
かきわり(描割)という絵をセットに使う場合もある。その場合は、道具帳から40倍に拡大した絵を描く。
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step 05
造形
彫り
Molding
発砲スチロールなどの素材を削り出してリアリティのある立体物をつくります。大型の切削機や3Dプリンターもあり、それらのデータ制作にも対応しています。
テレビ東京「TVチャンピオン」でスチロール王を輩出するなど、その技術は折り紙付きです。
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step 06
Print & Cut
出力
Router Machine Output print
データをもとに出力紙への印刷やカッティングシートを切り出す。ルーターマシンでは木材やMDFの材料を手作業では難しい円や模様の形にパーツ化していきます。
最大3m幅の大きな出力印刷も可能です。大きな画像データの処理やラミネートも対応してます。
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step 07
特技(経師)
紙と布
Paper and cloth
様々な質感を出すため、模様やバラエティに富んだ壁紙や布を貼っていく。つなぎ目がわからないほどに仕上げます。裁縫室では大きな幕なども縫うことができます。
椅子のクッションやカドが局面のニュースカウンターなどにも美しく貼ることができます。
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step 08
運搬
運ぶ
Transportation
by truck出来上がった道具を大型トラックなどで劇場やテレビ局の現場に運搬します。ミュージカルなどの大きな作品の場合はトラック10台以上になることもあります。
オーダーメイドの一点ものばかりなので積み方の工夫も重要。補修用の壁紙や絵の具なども積みます。
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step 09
営業・操作
建て込み
Build
平面図や営業の図面をもとに建て方を打合せ、劇場やスタジオにて組み上げる。剥がれ等を補修し納品します。ちゃんと寸法通りに出来あがるのが緊張の瞬間です。
腰にナグリ(トンカチ)をぶら下げた操作スタッフが組み上げます。世間が思う大道具さんと呼ばれる人。
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step 10
営業・操作
本番
Start of perfomance
完成したセットを背景に、出演者スタッフがリハーサル・本番に挑みます。場面転換や出し物など操作スタッフや担当営業が本番に立ち会います。
きっかけ:バラエティなどで幕や扉を出演者の登場に合わせて動かすこと。入念にリハーサルをしておく。
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step 11
操作
バラシ
Disassemble
the set本番終了後、セットは次の公演や収録のため解体される。廃棄や保管・再利用に分けられトラックで倉庫や工場に運ばれる。本番後なので夜間に行うこともあります。
スタジオの数は限られているのでセットは建てたままではなく、撤収する。ニュース番組は常設が多い。